夏の風物詩「小瀬鵜飼」に出会う

夏の風物詩「小瀬鵜飼」に出会う

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小瀬鵜飼を2倍楽しむ方法

 千年の歴史に彩られる夏の風物詩、「鵜飼」。中でも岐阜の長良川河岬の小瀬の里で繰り広げられる小瀬鵜飼は、古式ゆかしい漁法がまるで古典絵巻を思わせ、幻想的な風情が訪れる人の目を楽しませてくれます。

幻想的な古典絵巻 夏の風物詩「小瀬鵜飼」に出会う

篝火で幕開く鵜飼本来のドラマ

        

 鵜飼といえば岐阜市内の「長良川鵜飼」が有名ですが、その長良川の上流で催されるのが小瀬鵜飼(おぜうかい)です。
 華々しい花火や鵜舟が川幅いっぱいに並んで鮎を追い込む総がらみなど、ショーとしての鵜飼が繰り広げられる長良川鵜飼とは相反し、小瀬鵜飼の醍醐味はあくまでも漁法としての鵜飼本来の姿を堪能できること。
 静寂が辺りを包み込む漆黒の闇の中、篝火の灯りだけを頼りに鵜匠は見事な手綱さばきで鵜を操ります。
 平安時代にその漁法が醍醐天皇から賞賛され、徳川家康には鮎ずしを献上したと伝わる小瀬鵜飼。
 明治23年に宮内庁の直轄となり、鵜匠は宮内庁式部職という誉れ高い職名に位置します。
 現在、小瀬鵜飼の鵜匠として活躍しているのは3名。
 腰蓑に風折烏帽子という伝統装束に身を包んだ鵜匠たちの手綱の先に元気のいい鵜たちが踊り、水面に潜って水面に浮かんだ瞬間、キラリと光る加えた活きのいい鮎。
 そして、鵜匠たちは静かに鵜を舟に引き上げ、鮎を次々と吐かせていく……それは、照明も何もない中での幻想的なドラマ。
 まさに古代へタイムスリップしたような錯覚を覚えるのではないでしょうか。

鵜匠の家で貴重な鮎料理に舌鼓み

        

 鵜飼をより楽しみたい人にぜひ紹介したいのが、鵜匠の家で味わう鮎づくしの料理。
 鵜飼で捕られた鮎は“鵜鮎”と呼ばれ、大変美味として数多の食通に口福を与えてきました。
 その秘密は鵜飼の漁法にあり、鵜がくちばしで捕らえて瞬間的にしめるため、傷みが少なく鮮度が保たれるからだそう。
 また、鮎は香魚と呼ばれるほど香りが良く、川底のコケを食べて育った鮎は、ほんのり長良川の自然が色濃く反映した絶妙に爽やかな味です。
 小瀬鵜飼の鵜匠を務める岩佐家・足立家は、ともに料亭を営んでおり、予約を入れれば絶品の鮎料理が見た目も鮮やかに供されます。
 おすすめの食べ方は、何といっても鮎そのものの味を存分に感じられる塩焼き。
 その他にもこってりとした味噌との相性がいい鮎田楽や、からっと揚げた鮎の天ぷら、風味豊かな鮎の身が入ったお吸い物など、ここでしかいただけない古から続く饗宴、一度味わえば忘れられないものになるでしょう。
 もちろん、鵜匠の家ですから大事に磨き上げられた鵜飼の道具や鵜の飼育場など、普段目にすることができないバックヤードも見物可能。
 鵜飼についてのよもやま話に耳を傾け、貴重な時間を過ごすことができます。

 小瀬鵜飼は毎年5月11日~10月15日まで。今年の夏は、鵜と鵜匠が長良川の川面に織り成す雅な風景に酔いしれてみませんか。

小瀬鵜飼の旅をより楽しむための4つの宿をご紹介します。

こころをなでる静寂 みやこの写真

こころをなでる静寂 みやこ

        

 日本三大名泉の一つに数えられる下呂温泉は大層賑やかな温泉街だが、その中心街から少し離れた坂道の途中に、「こころをなでる静寂 みやこ」はある。
 「自然の摂理を理解し、人との調和そして自然と調和する」というオーナーの想いが入った日本庭園を囲むように本館と露天風呂付きの離れが配されており、それぞれから四季折々の草花を愛でることができる。

龍リゾート&スパの写真

龍リゾート&スパ

        

 飛騨高地の山岳地帯を貫く東海北陸自動車道の荘川インターチェンジを降り、白川街道から別荘地へ向かう林間道路を少し走ると、森の開けた場所に「高山龍神温泉 龍リゾート&スパ」の6階建ての建物が見えてくる。
 標高1000mの荘川高原に東京ドーム6個分、9万坪もの広大な敷地を擁する「高山龍神温泉 龍リゾート&スパ」は、豊かな自然を生かした施設やアクティビティを 備え訪れた旅人が心身ともにリフレッシュできる空間を持つリゾートホテルだ。
 そしてこのホテルのもう一つの大きな魅力は、「加温・加水・循環濾過・消毒・減菌を一切しない、100%天然掛け流し温泉」を持っていること。
 地下1,300mの自家源泉から湧出する湯量はなんと1日263tにも上り、常に新鮮な温湯が浴槽から溢れだしているので循環濾過はもちろん消毒減菌の必要もなく、しかもその湯温を下げるために水を加えることすら良しとせず、配管パイプの長さで温度調節するというこだわりも素晴らしい。
 まさに偽りのない真正の「源泉掛け流し」なのだ。

寛ぎの舎 游の写真

寛ぎの舎 游

        

 「寛ぎの舎 游」は、和室主体の本館とメゾネットタイプ中心の新館からなる全14室の一軒宿。
 東西に長くひらけた新平湯のほぼ中心部に、ひっそりと隠れ宿のように佇んでいる。  宿につながる細い石畳を進むと玄関脇にある鮮やかな番傘に目を惹かれるが、館内の至るところに長年培ってきた舎主の豊かな感性に委ねた季節の雑貨と骨董の数々が並び、客人の目を愉しませてくれるのだ。
 そう、「寛ぎの舎 游」の一番のおもてなしは、笑顔と遊び心。
 白壁の落ち着いたフロント・ホールの小粋な小物や、色鮮やかな和雑貨が壁一面に置かれた娯楽室など、その趣向と品揃えから舎主の“和は楽し”の心が伝わってくるようだ。
 そして、木の温もりと舎主が選んだアンティークの装飾で彩られた客室から望むのは、季節の移ろいとともに鮮やかにその姿を変えゆく奥飛騨の豊かな自然。
 この雄大なパノラマを遮るものは周囲に何もなく、奥飛騨の壮大で幻想的な景色を独り占めできる贅沢さに客人は時の経つのも忘れるほどだろう。

水明館の写真

水明館

        

 水明館は玄関口となる下呂駅の裏手に約1万坪という広大な敷地を有す1932年に創業した老舗旅館で、天皇陛下や皇族方々も宿泊されたことから下呂温泉の宿の中でもその知名度は抜群に高い。
 威風堂々とした佇まいは、たしかに昔ながらの純粋な旅館の面影を残しているが、現代の温泉リゾートホテルの快適さもしっかり兼ね備えている。
 国内ホテルでいち早く取り入れたというヨーロッパのものをヒントに設計された開放感溢れる室内プールや、心ゆくまで時間をかけて自分磨きができるエステサロンなど、滞在時間で何をして過ごそうか迷ってしまいそうだ。
 さらに客人が感嘆するような水明館ならではのおもてなしにも余念が無く、特に毎日開催されるという旅館が収蔵している横山大観や美濃焼の人間国宝 鈴木蔵といった岐阜を代表する作家作品を見学する「館内美術品めぐりツアー」は、地元の素晴らしい文化に触れることができるまさに旅の醍醐味となろう。
 これぞ東海随一のクオリティと称されるにふさしく、そのスケールの大きさは訪れてこそわかるというものだ。