ラウンジ・バーのある宿特集

ラウンジ・バーのある宿特集

 ひっそりと揺れるキャンドルの灯火や柔らかな間接照明の明かりの中で耳には心地良く穏やかに響くジャズの音色…。
 ラウンジやバーには、そんな洗練された大人の時間が流れている。
 美味しい料理や温泉だけではなく、時には非日常を感じられる空間でゆったり過ごすのも旅の愉しみ方のひとつ。
 極上のひとときを体感できるラウンジ・バーへ、ようこそ。

素敵なラウンジ・バーを愉しむ

「様々な顔を持つ」ラウンジの魅力

        

 まず“ラウンジ”とは、もともと待合室のひとつで公共のロビーや休憩室だけに留まらず、家庭内の居間も含めて広い範囲の寛げるスペースを指すもの。
 そのため、ホテルなどにあるラウンジには、軽い飲食スペースがあったり夜はイベントが催されるなど様々な顔を持つのが特徴だ。
 ハイクラスの宿になると、ラウンジにはドレスコードを設けている所も。
 さらに、超高層のスカイラウンジでは旅先の四季折々の風景や市街地の宝石を散りばめたような夜景といった素晴らしい眺望を愉しむことができるのも見逃せない。

宿のバーは「初心者にも優しい」

        

 対して“バー”は、馴染みがないと敷居が高いと思われそうだがそんなことはない。
 特に初めての客人が多く訪れるホテルや旅館のバーに居るバーテンダーは、初心者の扱いに慣れているもの。
 「初心者です」と申し出て、お酒のことやちょっとした作法のことなど気軽に聞いてみよう。
 お酒が強くなくてもカクテルに使う量を調整してくれる場合もあるというから、やはり初心者であるほどコミュニケーションがカギになりそう。
 贅沢な佇まいを感じさせる所から、瀟洒ながら気取らない所までバーの空間も多種多様だが、まったりと大人の時間を過ごせるのは間違いない。

複数人でも一人でも愉しめる空間

        

 ラウンジでは、美味しいお料理やお酒を嗜みながらジャズやR&Bの生演奏を聴くといったイベントが催されることも少なくない。
 大切な人、あるいは友人とリラックスして愉しむのも旅のいい思い出になるだろう。
 もちろんバーだって複数人数でも歓迎されるが、一人で訪れてみるのもまた粋。
 時を忘れ、お酒という嗜好品を誰にも邪魔されず心ゆくまで愉しむ空間……これ以上の贅沢が、他にあるだろうか。

一押しのラウンジ・バーのある宿をご紹介

 まるでドラマのワンシーンを描いたような素敵なラウンジやバーは、まさに大人がドラマティックな時を過ごすのにぴったりな場所だ。
 これから紹介する宿に備わるラウンジやバーの数々は、贅沢な時間が約束される非日常空間。
 美しく幻想的な雰囲気や宿ならではの趣向を凝らした設えが、旅により一層の彩りを添えてくれる。

伝承千年の宿 佐勘 「ワインバー くら倉」の写真

伝承千年の宿 佐勘 「ワインバー くら倉」

        

 宮城県の秋保温泉に構える佐勘は平安期よりその名を馳せ、仙台藩主の伊達家ともゆかりがあった老舗宿。貫禄を感じる伝統的な和風建築の装いは「ワインバー くら倉」にも息衝き、仄かな間接照明に灯される店内は、天井高に剥き出しの古材が組み上げられたどっしりと落ち着いた空間だ。ここでぜひいただきたいのは、造り手のこだわりが凝縮された味わい深いワイン。
 品揃えは豊富で、女性に人気のグラスワインとスイーツのセットメニューもある。
 また店内には古い蔵を改装した会場もあり、複数人数で貸し切ることも可能だ。

那須別邸 回 「ラウンジ206」の写真

那須別邸 回 「ラウンジ206」

        

 皇室の御用邸があることで知られる那須は、日本屈指のラグジュアリーリゾート地。
 その御用邸のすぐ近く、豊かな緑と果て無き空が続く那須高原に抱かれた那須別邸 回は、日本の伝統にアンティークな設えを織り交ぜた温かみと寛ぎの空間。
 「ラウンジ206」はふつうのラウンジとしてチェックイン時にも通されるが、夜になるとキャンドルに火が灯りゆったりソファーに腰を据えながらお酒を愉しむ場所に様変わりする。
 少しずつ異なる意匠を持つアンティーク調の家具はどれも瀟洒な雰囲気で、洗練された空間の中で嗜むのはスタンダードなカクテルからレアなモルトまで。
 充実のラインナップは酒通の客人を次々と虜にしている。

旅館すぎもと 「バー ひびき」の写真

旅館すぎもと 「バー ひびき」

        

 長野は美ヶ原温泉街の先に構える旅館すぎもとは、瀟洒なアンティーク雑貨や古民家を彷彿させる松本民芸家具など館内の設えに宿主の感性が光る個性溢れた宿。
 「バー ひびき」も、中央にどっしり据え置かれた樹齢500年の栃の木のテーブルが目を惹く粋なバー空間だ。
 アンティークのオーディオシステムが奏でるジャズやブルースに包まれて、宿主が厳選したウイスキーやワイン、個性的なフレーバーが自慢のアイラモルトを片手に、大人の寛ぎを堪能して欲しい。

花紫 「バーラウンジ(フローラ)」の写真

花紫 「バーラウンジ(フローラ)」

        

 風光明媚な観光地、山中温泉の中でも四季折々の自然美で名高い鶴仙渓のほとりに佇むのが高級老舗旅館とうたわれる花紫。
 約2200坪の広大な敷地にわずか27室という余裕ある造りだが、「バーラウンジ(フローラ)」はそれに相応しい豪華な空間だ。
 ミラー調の壁と頭上に施された煌びやかな装飾はまるでヨーロッパデザインを思わせ、北陸一豪華なホテル内のバーラウンジとの呼び声も高いそう。
 日本にいることを忘れてしまいそうな、ラグジュアリーな雰囲気の中で極上の一杯を傾ければ、この上ない自分へのご褒美となる。

こころをなでる静寂 みやこ 「魅惑のバー」の写真

こころをなでる静寂 みやこ 「魅惑のバー」

        

 日本三大名泉の一つに数えられる下呂温泉の中心街から少し離れた所に佇む隠れ家的存在の和風宿。
 館内の生け花や小物、本庭園から季節の移ろいが愛でられ、柔らかな温もりとどこか懐かしさが漂う静寂な時が流れる。
 「魅惑のバー」もモダンながら懐古的な小物やどっしりとした調度品、低い天井といった設えの至るところに懐かしさが感じるまさに“魅惑”の空間。
 「また帰ってきた」と思わせる不思議な魅力は、「こころをなでる静寂 みやこ」ならではのおもてなしの心が息衝いているからかもしれない。

和味の宿 角上楼 「バー和久楽」の写真

和味の宿 角上楼 「バー和久楽」

        

 愛知県は渥美半島にある伊良湖岬に構える「和味の宿 角上楼」は、昭和元年に料亭として建てられた優雅な佇まいの建物と主人自ら腕を揮う絶品海鮮料理が自慢の和風旅館。
 木の質感を活かした広縁や青く薫る清々しい畳から昭和レトロな雰囲気が漂い心から和む空間が拡がる。
 「バー和久楽」は約150年前の日本蔵を改装した本格ショットバーで、ダウンライトの柔らかな灯りに年代が刻まれた古材の存在が浮かび上がる厳かな風情が心地よい場所。
 オリジナルカクテルや利き酒師の資格を持つ主人が厳選した至宝の一杯は、必ずや忘れられない旅の思い出となろう。

旅荘 海の蝶 「ナイトバー[オーロラ]」の写真

旅荘 海の蝶 「ナイトバー[オーロラ]」

        

 古来より、日本書紀にも「美し国」と記されたほど風光明媚な観光地の名を欲しいままにしてきた伊勢志摩の、伊勢湾に面した岬の高台に佇む温泉宿。
 ロビーや展望ラウンジ、もちろん客室からは海と島々を臨む絶景の伊勢湾が映し出され、その素晴らしい眺望に数多の客人がため息をついてきた。
 海の恵みがたっぷりの夕食が済んだらぜひ「ナイトバー[オーロラ]」へ。
 渋みが際立つ調度品を設えたこのバーでは100種類以上のカクテルが用意され、特にオリジナルカクテルの味わいには定評があるという。
 美味しいカクテルと愉しい語らいで上質な大人の時間を過ごして欲しい。

間人のお宿 炭平 「ワンコインセルフバー」の写真

間人のお宿 炭平 「ワンコインセルフバー」

        

 明治元年に創業した炭平は京都府の漁村、丹後町間人に構え丹後では最も古い老舗旅館。
 客人を迎え入れるロビーや全ての客室から雄大な日本海が拓け、四季折々に様々な表情を映す大海原の景観は客人に圧倒的な開放感をもたらせてくれる。
 そんな“老舗然” とした構えから一転した気軽さが人気を呼んでいるのが「ワンコインセルフバー」だ。
 エドラダワーやボウモアといったアイラモルトから、スタッフお手製の果実酒やウイスキーまでを文字通りワンコインで愉しめるもので、セルフバーだから好みのお酒を手に入れたらぜひそのままテラスに進み、潮風を感じながらゆったり味わう大人の贅沢な休日を満喫してはいかがだろう。

龍リゾート&スパ 「星空とお酒を楽しむバー」の写真

龍リゾート&スパ 「星空とお酒を楽しむバー」

        

 標高1000mの荘川高原に広大な敷地を配し、豊かな自然を活かした施設や100%天然かけ流しの贅沢な湯が堪能できる癒しのリゾートホテル。
 数々のスパや白山連峰を望む大自然の中で日中めいっぱい楽しんだ後は、ライトアップされた閑静なバーで夜のひとときを。
 輝くばかりの星空の下、マイナスイオンに包まれて好きなお酒を嗜む趣向は高原にあるテラスバーならでは。
 オープンテラス内には足湯も備わり、ゆったり寛ぐことができる。

有馬山叢御所別墅 「バー・ポッソドウロ」の写真

有馬山叢御所別墅 「バー・ポッソドウロ」

        

 御所別墅は、日本最古の温泉地と称される有馬温泉、その中で最も老舗宿とされる陶泉御所坊(1911年創業)の十五代目が運営を開始した全室離れのスイートルーム。
 そこから徒歩8分にある「バー・ポッソドウロ」は、吟醸酒やワインをはじめ世界の銘酒を取り揃え客人にお休み前の優雅な一刻を授けてくれる本格的なバーと名高い。
 シックなカウンターで一人グラスを傾け、旅の思い出に刻まれた味わいに閑かな陶酔を。

月光園 鴻朧館 「バーラウンジ[ムーンビーム]」の写真

月光園 鴻朧館 「バーラウンジ[ムーンビーム]」

        

 日本三古湯の一つとされる有馬温泉の地に構え、四季折々の表情で魅せる落葉山と清流滝川が織り成す自然美に抱かれた風光明媚な景観が自慢の温泉旅館。
 源泉掛け流しの有馬のいで湯を堪能した後は、館内の「バーラウンジ[ムーンビーム]」で愉しい語らいを。
 ワインやブランデーをはじめ、彩鮮やかな季節限定メニューのオリジナルカクテルは見るだけで華やいだ気分に。
 お酒の苦手な客人にはノンアルコールカクテルも用意されているのがうれしい。