温泉情緒、にごり湯に入ろう。

温泉情緒、にごり湯に入ろう。

 にごり湯とは温泉の中に含まれている成分によって、不透明の状態になったもの。
 温泉と言われれば、にごった湯がなみなみと注がれた光景を思い浮かべる方が多いのではないだろう。
 湯けむりを漂わせたにごった湯船に身を沈め、ふっと一息つく。
 自宅では味わえない温泉情緒をより感じさせてくれるのがにごり湯ではないだろうか。

にごり湯の魅力とは?

温泉といえば「にごり湯」

        

 近頃の入浴剤が色のつくものが主流になっているのは、やはり温泉というイメージがにごったお湯を連想させ、少しでもリラックスできるようにと改良された結果であろう。
 そんな入浴剤に見慣れた人々が、“本物の温泉”、“本物のにごり湯”を求めるのは当然の結果であり、にごって色がついている湯を見るだけで、“温泉に来た”という気持ちが高まるのではないだろうか。

「目」で楽しむにごり湯

        

 にごり湯の色が何色あるかご存知だろうか。
 乳白色、灰色、茶褐色、黒色、緑色、青色・・・。
 同じ成分でも温泉によって変わる色は、その温泉の“個性”を如実に表したもの、それぞれの湯色によっても匂いや、湯ざわり、味も違ってくる。
 温泉に浸かるだけでなく、湯色からも癒されてほしい。

朝と夜で「色」が変わるにごり湯

        

 にごり湯が色づくメカニズムは様々な要素がある。
 温泉に含まれる成分が酸化し、湯の花が生じることによってにごる温泉や、太陽からの光によって色が変わる温泉もあり、様々な要素が複雑に絡み合って、にごり湯は出来上がる。
 刻一刻と色が変わるにごり湯はその時しか出会えない、一期一会の温泉といえる。
 朝と夜、違った湯色を見せてくれるかもしれないにごり湯に、あたかも違う温泉に入っているかのような体験を覚えるだろう。

おもてなし.com厳選のにごり湯のある宿をご紹介

 にごり湯は先ほど言ったように様々なものがある。
 そこで今後、にごり湯のある宿を予約する上で参考にできるように、にごり湯をいくつかご紹介する。

箱根仙石原温泉 「仙郷楼」の写真

箱根仙石原温泉 「仙郷楼」

        

 箱根仙石原温泉に位置する仙郷楼は、富士箱根伊豆国立公園の特別地区にあり、1万5千坪の敷地内には、季節の移ろいを存分に感じることのできる自然が溢れている。
 政財界人、画家、文学者の利用者も多く、硫黄泉の白濁したにごり湯と出会うために、彼らもここ仙郷楼に通ったのではないだろうか。
 源泉かけ流しの白濁したにごり湯と、緑豊かな箱根の自然のコントラストは見る者の心を癒し、日常の疲れを忘れさせてくれること間違いなし。
 泉質としては酸性 カルシウム 硫酸塩・塩化物泉で、贅沢に引いたかけ流しの湯の温泉成分が肌をパックしてくれるという女性にはうれしい美肌温泉とうたわれている。

有馬温泉 「月光園 鴻朧館/游月山荘」の写真

有馬温泉 「月光園 鴻朧館/游月山荘」

        

 日本最古の温泉といわれる有馬温泉の元湯旅館である月光園は、有馬温泉の中でも立地に恵まれ、豊富な湯量を誇り、有馬温泉らしい褐色の湯は子宝の湯として有名で、多くの温泉成分が含まれ、冷え性や慢性婦人病などにも効果があり、万能の湯と呼ばれている。
 月光園 鴻朧館/游月山荘には合わせて、9つの浴場があり、館内で有馬温泉の湯巡りを楽しめるようになっている。
 露天風呂からは落葉山が目の前に広がり、褐色のにごり湯に彩りを加えてくれるに違いない。

祖谷温泉 「和の宿 ホテル祖谷温泉」の写真

祖谷温泉 「和の宿 ホテル祖谷温泉」

        

 徳島県祖谷温泉の歴史は古く、かの平家もここの温泉を見つけ湯治したいう伝説が残るほど。
 かつては祖谷川沿いに多く湧出しており、今でも「フロノタニ」という地名まで残っている。
 四国では珍しく、源泉かけ流しをうたう宿で、白い湯の花が舞う湯は白濁して見え、特に驚くのは、ケーブルカーで約170m下の谷底まで降りていく露天風呂。
 祖谷川を近くに臨める渓谷の湯は開放感抜群で白い湯の花で白濁して見える湯に揺蕩えば、身も心も洗われるような気分になるだろう。
 泉質はアルカリ性単純硫黄泉で、お湯はぬるめだが、その分長く入浴でき、より温まることができるだろう。

  • 1