まるで別荘! メゾネット客室

まるで別荘! メゾネット客室

 広々とした空間とプライベート感があり、もう一つの我が家のように寛げるメゾネットタイプの宿。
 戸建のような感覚で、立体的な空間があるメゾネットのメリットを活かして庭に連続したアウトデッキを設けたり内装に凝ったり、オリジナルの調度品を設えるなど、地域性も加味しつつ各宿によって様々な客室空間を提案しているのだ。
 今回は複数人での宿泊も快適に楽しめるメゾネットの人気に迫る。

皆で楽しめるメゾネットステイ

家に居るような「広々とした空間」

        

 和室、洋室と並んで客室のバリエーションとしてすっかり定着したメゾネットは、簡単に言うと2階建ての客室で、リビングと寝室が分離しているのが特徴だ。
 その魅力は何と言っても広々とした空間で、概ね天井は高く吹き抜けのようになっているから圧迫感が無く明るく開放的な気分が味わえる。
 リビングと寝室は、宿によって上階・下階のどちらかに振り分けられているが、いずれにせよ客室の中にある備えの階段で行き来することになるため、旅行中もまるで自分の家に居る感覚で過ごせるのが利点と言えよう。

「家族や友達同士」気兼ねなく寛げる

        

 戸建を連想させる広々空間がメリットのメゾネットは、家族や友達同士のグループで利用するには最適だ。
 リビングには大概複数人数で寛げるようゆったりとしたソファや和風客室なら床座でローテーブルを囲めるといった造りになっており、心ゆくまで語らいに興じることができるだろう。
 ソファがエキストラベッドになるなど、より大人数に対応した仕掛けが施された客室があるのも魅力的だ。
 また専用の庭やウッドデッキを配し、そこでバーベキューをしたりペットも一緒に滞在できたりする所も少なくない。
 自然を間近に感じながら皆で過ごす楽しいひとときは、最高の休日気分を盛り上げてくれるはずだ。

上階・下階だから保てる「プライバシー」

        

 複数人で旅行に来たとは言えそこそこのプライバシーは保ちたいという方にも、空間が上階・下階と別れているメゾネットはぴったりではないだろうか。
 最近は客室内をカーテンで区切れるという、今の時代にマッチしつつお洒落な空間演出ができるものもあるという。
 また、小さな子供連れの場合、一般客室なら同室に子供を寝かせることになるので寝かしつけた後は小声で話しをしたり、或いは大人も早めにベッドに入ることになるが、メゾネットなら子供が寝た後も広々としたリビングでゆっくり夫婦の会話やお酒を嗜むといったことができるのもうれしいポイントだ。

おすすめのメゾネット客室をご紹介

 ご夫婦から複数人まで様々な人数形態で楽しめるメゾネット。
 特に友達グループの場合、一般的なホテルで別れた部屋を二つ三つ借りるよりも一部屋で泊まったほうが俄然盛り上がるというもの。
 2階建て客室という基本的な造りは同じものの、間取りや客室の雰囲気など各宿によって様々趣向を凝らしているので、これからご紹介する一押しのメゾネットをご覧いただき、一生忘れられない旅行の思い出を作っていただきたい。

リゾートホテル モアナコースト 「ヴィラ ベル トラモント ダブル」の写真

リゾートホテル モアナコースト 「ヴィラ ベル トラモント ダブル」

        

 鳴門の隠れ家的宿と称されるモアナコーストは、小規模高品質のサービスを徹底した大人のリゾートホテル。2013年にオープンした別館はすべてメゾネットスタイルの客室となり、「ダブル」は1階に寝室と半露天ジャグジー、2階にリビングを配した造りだ。
 広さもさることながら、一番の魅力はこだわりを持つオーナーが誂えたという快適なシモンズ製ダブルベッドや洒落たカッシーナ製L字ソファ等の粋な調度品だろう。
 備えの鳴門伝統工芸品“大谷焼”のコーヒーカップで一服しながら、中庭越しに望む里山の美しい夕景を眺めよう。

リゾートホテル モアナコースト 「ヴィラ ベル トラモント ハリウッドツイン」の写真

リゾートホテル モアナコースト 「ヴィラ ベル トラモント ハリウッドツイン」

        

 同じくモアナコーストの別館にあり、こちらは1階にリビングと半露天ジャグジー、2階にベッドルームとパウダールームを配した「ハリウッドツイン」仕様。
 名前の通りベッドがハリウッドツインスタイル(サイドテーブルでベッドを分けない)で、小さな子供連れなら川の字で寝てものびのびと寛げる大きさだ。
 また、2階のパウダールームが広めに設けられているので、女性同士のパートナーやグループでも使い勝手が良くおすすめ。

有馬山叢御所別墅 「メゾネット」の写真

有馬山叢御所別墅 「メゾネット」

        

 日本最古の温泉地と称される有馬温泉、その中で最も老舗宿とされる陶泉御所坊(1911年創業)の十五代目が運営を開始した全室離れのスイートルーム。
 全て100㎡という客室の広さは、かつてこの地が外国人専用リゾートだったという雰囲気がどことなく踏襲されているのかもしれない。
 「メゾネット」は1階がベッドルーム、2階は古民家風に梁を剥き出した天井高のリビングを配した清流滝川に面する木造二階建ての造り。
 サーマルルームというヨーロッパで用いられる低岩盤浴が備えられているので、好きな飲み物片手に女性同士おしゃべりしながら贅沢な時間を過ごしてはいかがだろう。

和味の宿 角上楼 「露草」の写真

和味の宿 角上楼 「露草」

        

 愛知県は渥美伊半島に佇む角上楼は、昭和元年に料亭としてスタートした優雅な佇まいの純日本旅館。
 敷地内に本館と別館が点在し、「露草」は別邸という位置づけの別館 翠上楼にあるメゾネット客室だ。
 1階は複数人がゆったり座れるソファを設えたリビングと掘り炬燵の六畳和室、2階はベッドルーム・露天風呂・シャワールーム・パウダールームを配する造りだが、空間全体にポイントカラーとなる対照的な朱色と葵が対照的に映え、瀟洒な螺旋階段の造りといい本館の純和風な趣きとは違ってモダンな雰囲気。
 現代的な機能性を十分に備えているので、長期滞在にもおすすめしたい。

和味の宿 角上楼 「福寿」の写真

和味の宿 角上楼 「福寿」

        

 同じく角上楼の別館 翠上楼にある「福寿」は同館で最もグレードが高く、まるで別荘のように広々として洗練された至福の空間が拡がる。
 1階は茶を基調とした格調高い家具を設えたリビングと複数人がゆったり座れる造りがうれしい掘り炬燵がある和室、2階はベッドルーム・露天風呂・シャワールーム・パウダールームを配す贅沢な間取り。
 落ち着いた寛ぎの中にも機能美に包まれ、きっと優越感に浸れる休日を過ごすことができるだろう。

寛ぎの舎 游 「新館露天風呂付メゾネット客室」の写真

寛ぎの舎 游 「新館露天風呂付メゾネット客室」

        

 5つの温もり溢れた温泉地からなる奥飛騨温泉郷の一つ、新平湯温泉にある寛ぎの宿 游は館内の至る所に粋な小物や雑貨など和の遊び心を散りばめた風情ある隠れ家宿。
 新館にある「露天風呂付メゾネット客室」も木の優しさを活かした和の情緒漂う古民家風の造りで、1階の清々しい和室と2階のロフトを寝室として使うメゾネットタイプになっている。
 寝室は、ベッドではなく布団で休むため子供から高齢者まで気兼ねなく寛ぐことができる上に、付いている天窓から奥飛騨の漆黒の夜空に輝く満点の星空を眺めることもでき、いい旅の想い出の1頁になりそう。

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