朝野家
露天風呂付準特別室 花浅葱・紫苑
近畿/兵库県/汤村温泉(新温泉町)
陶器製浴槽をしつらえた露天風呂で日々の疲れをいやしてください。
おもてなしの基本「茶道・華道・香道」
但馬の山峡を流れる春来川のほとりにある元湯「荒湯」を中心とした、半径400mほどの中に納まってしまうほどの小さな温泉地である湯村温泉は、嘉祥元年(848年)に遣唐使として仏教修行のため唐に渡っていた慈覚大師円仁が帰国後、京に帰る途中に発見したと伝えられている歴史ある温泉である。
湯煙たなびく鄙びた温泉地の抒情的な風情が、古き良き時代の日本的な温泉情緒を感じさせるとして今も多くの観光客を集める湯村温泉は、また日本有数の高温の温湯が豊富に湧き出していることでも知られている。
わずか地下数mから自噴する元湯の「荒湯」をはじめ総数60にもなるこの地の源泉からは、98℃という高温の温湯が毎分2,300リットルも湧き出しており、その豊かな温湯は温泉宿で掛け流しとして使われるだけでなく、周辺の一般家庭にも供給されて、風呂はもちろん洗濯や野菜や卵を茹でるなどに使われるほどである。
国道9号線を走る車が湯村温泉に差し掛かるころ、いきなり目に飛び込んでくる、日本伝統の城を模したかのような白壁に入母屋破風や比翼千鳥破風、軒唐破風と豪勢な飾りを施したひときわ豪壮な建物が「ゆけむりの宿 朝野家」である。
一見奇抜に見える外観は、いたずらに奇を衒ったものではない。
かつてこの地を治めた温泉城(ゆのじょう)主奈良九郎太郎源宗光の末裔である館主の祖先への畏敬の念と、日本に古くから伝わる伝統的文化である「茶道・華道・香道の三道」を見直し、未来へと引き継いでいくという心意気を形にしたものなのだ。
「ゆけむりの宿 朝野家」を訪れた旅人へのおもてなしは、京の香老舗松栄堂製のオリジナルのお香「夢香」が焚き込められたロビーで受ける抹茶による接待から始まる。
いたるところに季節の草花が活けられた館内には元禄時代後期に興った琳派を意識した意匠が多くみられ、絢爛豪華な雰囲気の中で旅人はまるで殿上人になったかのような豪奢な気分に浸ることができるだろう。
陶製露天風呂を配した準特別室
入り口に置かれた香籠の薫りに迎えられて入る客間には、お茶菓子とは別に3種の珍味まで用意され、茶器にいたっては煎茶、ほうじ茶、玄米茶の3種のお茶を互いに損ねることなく味わえるよう3種用意するというこだわりのおもてなしもうれしい。
露天風呂付客室の名前にそれぞれ日本の伝統色をつけた「ゆけむりの宿 朝野家」。
「花浅葱」は、その名の色の陶製露天風呂と十二畳半、四畳半の和室、内風呂を配した準特別室になる。
花浅葱色は日本の伝統色のひとつで、「花色がかかった浅葱色」の意。
花色は縹色(はなだいろ)ともいい、今の色では薄い青色になり、浅葱色は「ごく薄い藍色」「薄い青緑」を指すという。
二間床のある十二畳半の和室につながる二の間には電動マッサージチェアが置かれており、日々の生活で疲れた身体をじっくりと揉み解してくれる。
掛け流しのお湯で満たされた花浅葱色の陶製露天風呂は一人で入るには十分の広さなので、身体をいっぱいに伸ばしてゆったりお風呂を楽しんでいただけるだろう。
「紫苑」は、薄紫色の陶製露天風呂もう一つの準特別室で、赤地に金で描かれた群鶴が舞う格天井が豪奢な雰囲気を感じさせる十二畳半の和室と隣接する四畳半和室、電動マッサージチェアが置かれた次の間からなる広々とした部屋。
紫苑色は秋に薄紫の可憐な花を咲かせるシオンの花色から名付けられた日本の伝統色で、平安中期ごろにはすでに秋の衣装の色として使われていたという。
同タイプの準特別室「花浅葱」同様、部屋の名前と同じ紫苑色の陶製露天風呂は大き目に作られているので、季節の風を感じながらゆったりと寛いで源泉掛け流しのお風呂を楽しんでいただける。
源泉掛け流しの「美人の湯」
湯村温泉の温湯を源泉掛け流しで味わえるのは部屋付露天風呂だけではない。
夜朝で男女入替になる二つの露天風呂付大浴場の一つ「彦星」は、広い洗い場がある大理石張りの内湯と、茅葺き屋根の四阿や大きな水車が日本の原風景ともいえる鄙びた田舎の風情を感じさせる露天岩風呂、樹齢1200年の檜の古木をふんだんに用いた檜造り露天風呂、低温なので長時間入っても体に負担が少ない、温泉熱だけを利用した天然低温サウナからなる。
もう一つの「織姫」も同じような設えだが、露天風呂には水車の代わりに高さ7mの滝が設けられており、そこから熱い温湯が豪快に流れ落ちてくる仕掛けが面白い。
岩風呂には深山幽谷を思わせる巨石の他、桜などの木々も植えられているので、春夏秋冬で装いを変える自然の風雅を存分に味わいながら、歴史ある湯村の温湯に揺蕩っていただきたい。
自然が育んだ山陰ならではの旬の味
お待ちかねの夕食は、それぞれの部屋で他の目を気にせずゆっくりと味わっていただける。
旬の食材を見目も鮮やかに盛り付けた会席料理が基本だが、最高級ブランド牛である神戸牛や松坂牛の素牛として名高い但馬牛をステーキやすき焼きでいただくプランや、高級ブランド蟹といわれる浜坂漁港産の松葉ガニを焼き、造り、蟹すき、てんぷらなど様々な趣向で味わい尽くすプランなど、最高級の食材をさらにひきたてるべく料理人が手間を加え丁寧に拵えられた御馳走も用意されている。
こだわりの和食にふさわしいのは、やはり日本酒だろう。
伝統的な日本酒製造技法「生 (きもと)造り」にこだわり、その独特の愛好家を虜にする但馬の銘酒「香住鶴」といっしょに、殿上人にふさわしい豪奢な晩餐を心ゆくまで堪能して欲しい。
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photo
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露天風呂付準特別室「花浅葱」
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露天風呂付準特別室「花浅葱」
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花浅葱色の陶製露天風呂
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露天風呂付準特別室「紫苑」
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紫苑色の陶製露天風呂
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大浴場露天風呂「織姫」
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夜の「織姫」
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大浴場露天風呂「彦星」
detail
間取り | 12.5畳間+4.5畳間+陶製露天風呂(天然温泉)+バスルーム |
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設備 | ウォシュレットトイレ、テレビ(衛星放送)、金庫、電話、ヘアドライヤー、冷蔵庫、冷暖房、電動マッサージ機、電気スタンド、ビデオデッキ(貸出)、CDプレーヤー(貸出) |
アメニティ | バスタオル、タオル、シャンプー、リンス、ボディーソープ、ハミガキセット、髭剃り、くし、浴衣、スリッパ |
チェックイン・チェックアウト | [チェックイン]15:00 [チェックアウト]10:00 |
駐車場 | 100台 |
カード | VISA / JCB / DINERS / AMEX / UC / DC / NICOS / UFJ / SAISON / CF / ORICO / JTB / デビットカード |
ご注意 |
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温泉
源泉名 | 天然湧出源泉 3本 |
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泉質・泉温 | ナトリウム 炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉 98.4℃(気温20℃) |
適応症(効能) | (浴用)神経痛・関節痛・運動麻痺・慢性消化器病・冷え性・切り傷・慢性皮膚病・動脈硬化症 (飲用)慢性消化器病・痛風・慢性胆嚢炎・肥満症・胆石症・慢性便秘 |
温泉の利用形態 | かけ流し循環併用方式 加温無し 加水有り(通常の湯温調節はタンク貯湯・熱交換によるが清掃後及び高温時のみ) |
特徴 | 「湯村温泉 ゆけむりの宿 朝野家」が持つ3本の自然湧出源泉からは、泉温98.4℃のお湯が毎分420リットルも滾々と湧き出ている。 この豊富なお湯は、入浴用の温泉としてだけでなく、客室の洗面や冷暖房の熱源としても贅沢に利用されている。 pH値-7.52の弱アルカリ性泉で、重曹成分を多く含み汚れを落とす石鹸効果もあることから、この地域では昔から洗濯に温泉が使われており、その優れた効能から戦後の「昭和の三種の神器」のうち、洗濯機だけは普及が進まなかったといわれている。 加えて、塩化物の成分が毛穴をふさぎ体内の熱を閉じ込めることによる保温効果や、硫酸塩泉成分が肌の角質層のセラミドに水分保留を促す保湿効果も期待できる湯村の温湯は、「ピカピカ」「ポカポカ」「プルプル」になる「美人の湯」でもあるとして注目されている。 |
おすすめ
昭和56年から59年にかけて、吉永小百合主演によりNHKで放送されたドラマ「夢千代日記」。
胎内被曝症に苦しみ余命短しと宣告されながらも、優しくひたむきに生きる夢千代と、様々な事情を抱え苦しみながらも寄り添い助け合い精一杯に生きていく周りの人々との人間模様を、厳しい冬の寒さと雪に凍える寂れた温泉街を舞台に描いたドラマは3部作まで作られたうえ、後に映画にまでなるほどの人気を呼んだ。
この物語の舞台となった温泉街「夢里」は、当時兵庫県美方郡温泉町、今の美方郡新温泉町にあるここ湯村温泉がモデルとなっており、ドラマ終了後は「夢千代の里」として全国的に脚光を浴びることになる。
「湯村温泉 ゆけむりの宿 朝野家」から徒歩3分にある「夢千代館」では、夢千代が女将をつとめる置屋「はる屋」やドラマに度々登場する旅館「煙草屋旅館」を再現したセットや、撮影に使われた小道具などが展示されている。
また、ドラマの時代背景である昭和30年代の湯村温泉の商店街を再現したコーナーや当時の生活資料なども展示され、夢千代達が生きていた懐かしい昭和の世界に浸ることができる。
観光スポット
浦富海岸
TEL | 0857-72-3481 (岩美町観光協会) |
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アクセス | 車 約40分 |
兵庫県境に近い鳥取県岩美郡岩美町の日本海沿い約15kmにわたって見られるリアス式海岸。
浸食による花崗岩の断崖や洞窟、奇岩が連続しており、海上には小島や岩が多数見られることから、「山陰の松島」として古くから景勝地として知られており、国の天然記念物指定や「日本百景」「日本の白砂青松百選」「日本の渚百選」などにも選ばれている。
また、地質学的に重要な地形として平成22年にユネスコから認定を受けた「世界ジオパーク」の一部にもなっている。
海岸沿いを走る国道176号線からの眺めも素晴らしいが、時間があれば小型船での島巡りをおすすめしたい。
鳥取砂丘
TEL | 0857-20-2231 (鳥取砂丘情報館 サンドパルとっとり) |
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アクセス | 車 約40分 |
日本海海岸沿いに南北2.4km、東西16kmにわたって広がる観光可能なものとしては日本最大の砂丘。
高低差も最大90mもあることから、馬の背といわれる砂丘列の頂上からは美しい海岸線や山の緑など360度のパノラマを堪能できる。
ラクダや馬車による散策や、パラグライダー、サンドボードといったアクティビティも楽しめる。
隣接の鳥取砂丘情報館では砂の美術館として世界の砂像彫刻家による砂像の展示イベントを定期的に開催しているので、事前に問い合わせてみて欲しい。
竹田城(虎臥城)
TEL | 079-674-2120 (旧木村酒造場EN内 情報館 天空の城) |
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アクセス | 車 約1時間10分 |
竹田城は、朝来市和田山町の古城山(別名虎臥山 標高353m)山頂に築かれた中世山城の遺跡。
建物は無いがほぼ完全な形で石垣が残り縄張りが確認できる、現存する山城としては日本屈指の規模となっており、国の史跡にも指定されている。
山頂に残る堂々たる石垣や山頂からの景観が素晴らしいことから映画のロケ地として使われることもあり、また「日本の100名山」にも選ばれている古城山だが、近くを流れる円山川の川霧に覆われて雲海に山頂と城郭が浮かんでいる様が、「天空の城」「日本のマチュピチュ」として評判になり、近年は多くの観光客がこの山を訪れている。
雲海が発生しやすい季節は、9月から11月の間で、時間は日の出から午前8時ごろに見られることが多いとのこと。
興亡を繰り返し今や苔むす石垣に歴史の浪漫を感じていただくとともに、自然が造りだす美しい情景もどうかご覧いただきたい。
plan
朝野家
露天風呂付準特別室 花浅葱・紫苑
近畿/兵库県/汤村温泉(新温泉町)
access
〒669-6821 兵库県美方郡新温泉町湯1269
【電車】
・[山陽新幹線]姫路駅→[JR山陰本線]鳥取駅→[JR山陰本線]浜坂駅 約3時間
タクシー 約15分
【飛行機】
・神戸空港→[ポートライナー]三宮→[JR神戸線]姫路駅 約1時間
【バス】
・[全胆バス]大阪・神戸から湯村温泉まで特急バスが運行しております。
【自動車】
・北近畿豊岡自動車道 八鹿氷ノ山IC→国道9号線経由 約45分
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