陶泉 御所坊
中庸 Superior
近畿エリア/兵庫県/有馬温泉(神戸市)
極上のもてなしは太閤秀吉も。古き良き時代を守る有馬温泉郷の名旅館

昭和ロマンの世界が広がる、足利義満も滞在した名湯有馬の老舗旅館
日本三古泉といわれる有馬温泉は自然豊かな六甲山の標高約360mの斜面に位置した四方を山々に囲まれたすり鉢の底のような場所に温泉街があり、日本屈指の効能を誇る赤茶色が特徴の「金泉」と古くはこの源泉に砂糖をいれて飲んだことがサイダーの始まりともいわれる炭酸泉の「銀泉」があり、療養泉として指定している9つの温泉主成分のうち7つもの成分が含まれる、世界的にも珍しい効能豊かな混合泉だ。
また、有馬温泉には「坊」とつく名の旅館が多いのは洪水で壊滅した有馬温泉を1191年に仁西という僧が復興し12の坊を営んだことから由来すると言われ、14世紀末には足利義満が有馬温泉を訪れ前進である湯口屋に滞在したことから「御所」と名が付けられた由来される。
1191年に創業し由緒ある老舗旅館だが、館内は古さを感じる名旅館というものではなく、ノスタルジックな雰囲気を醸した昭和初期にタイムスリップしたような趣で、多くの文豪達にも愛さたこの宿は谷崎潤一郎や与謝野晶子の作品にも実名で登場し、ゆかりの品もさりげなく配されている。
ロビーラウンジもどこか懐かしい雰囲気があり、古き時代から多くの外国人や文化人を出迎えてきた歴史に思いを馳せる。
風呂あがりに寄りたいサロンは神戸の異人館を思わすような洋館風で様々なジャンルの書籍も揃っていて、時間を忘れてゆったり流れる時間を過ごすのもよいだろう。
木造建築3階建と4階建の建造物だけにエレベーターなどの設備はないが、お御足に自信がない場合は姉妹館を選択するという利点もあり、これが御所三坊の強みでもある。

文人墨客に愛された昭和レトロと近代的芸術センスの融合
客室はそれぞれに趣が異なる3区画があり、案内されたお部屋は御所坊正面「雲山御坊」の中にある「中庸 Superior」の一室。
伝統的な純和風のシンプルな設えが心地よく、窓からは清涼感溢れる緑と清流滝川を臨み、温かみのある木造の落ち着いた雰囲気は近代化した家やホテルが増える中で貴重な風情といえる。
二階に位置する「」間取りは和室十畳に窓際の広縁があり、床の間には綿貫宏介氏の書画が配されており、懐かしさのある和情緒の中に洗練されたモダンなアクセントが感じられ、とても居心地がいい。
「中庸 Superior」は全4室あり、角部屋からは神戸の銘木に選ばれた「糸桜」を臨み、個々の客室で間取りや調度品が異なると聞いて次は別の部屋に泊まってみたいと欲もでる。

名湯・有馬温泉の金泉を源泉掛け流しで楽しむ半露天・半混浴
食事前に有馬の名湯を楽しんでおこうと、さっそく浴場へと足を運ぶ。
御所坊の浴場「金郷泉」は非常に珍しい半露天・半混浴式といわれており、湯船は洞窟のように先へと続いており進んでいくと深さも増し、行き着くところは柵で仕切られた混浴になっていて、決して男女の湯船が交わるわけではないが、顔を合わせながら湯浴みが楽しめるという面白みも当代金井氏の思いの象徴なのだろう。
赤褐色に色づいた良質の濁り湯は火山のない場所で温泉が湧くという有馬温泉の不思議とされる地下60kmの地中深くから湧き上がった温泉で、太古の名湯とも評される有馬温泉の金泉を源泉掛け流しで満喫しよう。
またチェックイン時に忘れずに予約をしておきたいのが「離れの茶室付き湯殿 偲豊庵(しほうあん)」だ。※天楽タイプの客室にご宿泊の場合
御所坊の離れに静かに佇む貸切風呂は、ロウソク灯の淡い光に照らされながらの湯浴みが幻想的で、庭からかすかに聞こえる水琴窟の水音にしばし時の流れを忘れ、癒やしの境地を存分に満喫したい。
温泉は有馬の銀泉といわれる白湯で、泉質の違う温泉の効能で疲れをとるもの良いだろう。

素朴で贅沢な山海の幸を揃えた山家料理
夕食は食事処「餐房 閑」に用意されるというので行ってみると、与謝野晶子が詩にした糸桜と滝川を臨む山家料理食事処はカウンターのオープンキッチンもある造りになっていて、メインの肉料理はカウンターの鉄板で焼き立てが供されるようだ。
吟味する素材には徹底したこだわりがあり、自家農園で栽培したお米や有機栽培の野菜を使用し、彩りを添える食材にも手抜きはない。
また有馬地方の地産地消にもこだわり、兵庫県の特産和牛である但馬牛や神戸牛を使用したメイン料理や明石浦漁港で水揚げされた新鮮魚介を直接仕入れて贅沢な山家料理へと腕を振るう。
選りすぐりの素材を季節限定の味わい深い料理に仕上げ、見た目の豪華な盛り付けだけでなく素朴な滋味を存分に味わってほしいという思いを込めた野趣溢れる夕餉を存分に堪能。
美食が存分に味わえるのは瀬戸内の豊かな潮流や四季の自然が育んだ魚介や和牛、有機野菜があるからこそ。
御所坊から徒歩3分の「花小宿」に併設された「料膳 旬重」はカウンター越しに職人の包丁捌きも眺められる割烹料膳で、徒歩6分の「御所別墅レストラン」では絶品の有馬フレンチが味わえるという。
どちらも昼食で立ち寄れるので、ランチはそちらに足を運んでみたいと密かに思いを馳せる。
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半混浴・半露天大浴場「金郷泉」
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餐房「閑」
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バー「ポッソドウロ」
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サロン「ロシオダプラッタ」
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間取り | 和室十畳+広縁+トイレ |
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設備 | テレビ、電話、湯沸かしポット、お茶セット、ドライヤー、加湿器(貸出)、洗浄機付トイレ、金庫 |
アメニティ | シャワーキャップ、綿棒、コットン、洗顔フォーム、絆創膏、くし、あぶらとり紙、マウスウォッシュ、ヘアードライアー、乳液、タオル、バスタオル、浴衣、丹前 |
チェックイン・チェックアウト | [チェックイン]15:00 [チェックアウト]10:00 |
駐車場 | 27台(乗用車25台、マイクロバス2台)/屋外 乗用車25台 無料 ※有馬里駐車場を利用 |
カード | VISA / AMEX / DINERS / UC / NICOS / UFJ / MASTER / SAISON |
ご注意 |
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温泉
源泉名 | 御所泉源及び妬泉源の混合 |
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泉質・泉温 | 含鉄-ナトリウム-塩化物温泉(高張性・中性・高温泉)/泉温79.3℃ |
適応症(効能) | きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、月経障害、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進 |
温泉の利用形態 | 源泉100% 消毒あり |
おすすめ
神戸港が開港した明治期は多くの外国人が神戸に暮らし、避暑で有馬に訪れたそう。
その当時に造られたダンスフロアは今では喫茶室「サロン ロシオダプラッタ」となり、宿泊客へのサービスとしてコーヒーのセルフサービスがあるので、読書を愉しみにぜひ立ち寄りたい。
また徒歩3分の「カフェドボウ」は13代目の自宅を改装した仏蘭西菓子店で、有馬温泉から取り出した塩を使った「有馬塩ロール」など、ほかでは味わえない珠玉の銘菓が揃う。
観光スポット
有馬本温泉 金の湯
TEL | 078-904-0680 (神宮司庁) |
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アクセス | 徒歩 約3分 |
有馬温泉の名湯・金泉を気ままに入れる日帰り入浴施設。
金の湯では金泉と呼ばれる含鉄-ナトリウム-塩化物強塩高温泉に浸れるが、この温泉は湯自体は無色透明だが湧出直後に酸素に触れることで茶褐色に濁るため、温泉は赤褐色に見える。
季節毎にイベントがあり、温泉だけでなく様々な癒やし湯が楽しめる。
太閤の湯殿館
TEL | 078-904-4304 |
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アクセス | 徒歩 約5分 |
太閤秀吉が造らせた「湯山御殿」ゆかりの品々が展示されていて、発掘の様子や茶器などの出土品も展示されている。
岩風呂や蒸し風呂遺構などが出土した状態で展示されていたり、当時の入浴の様子や風呂文化にまつわる歴史を垣間見ることができる。
極楽寺の裏手にある泉源もみることができる。
有馬玩具博物館
TEL | 078-903-6971 |
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アクセス | 徒歩 約3分 |
博物館には4つの展示フロアがあり、約4000点のおもちゃを展示していて、実際に触れるおもちゃや遊べるおもちゃコーナーもあり、からくり人形も人気。
「おもちゃガイド」の時間では展示品の紹介もされる。
工作教室では実際に道具を使って様々なおもちゃを自分で作る体験ができ、思い出やお土産にもなると子供から大人まで体験する観光客も多い。
館内には食堂やショップなどもある。
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陶泉 御所坊
中庸 Superior
近畿エリア/兵庫県/有馬温泉(神戸市)
access
〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町858
【電車】
・[山陽新幹線]新神戸駅→[北神急行電鉄 北神急行線]谷上駅→[神戸電鉄 有馬線]有馬口駅→有馬温泉駅 約30分
徒歩 約5分
送迎サービス有り(有馬温泉駅から当坊までご一報頂ければ、送迎にあがります。)
【飛行機】
・神戸空港→[ポートライナー]三宮駅→[神戸市営地下鉄]新神戸 約30分
【自動車】
・阪神高速道路 有馬口IC→有馬街道/県道51号線経由 約5分
関連リンク |
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