新鮮!源泉かけ流しの温泉宿特集

新鮮!源泉かけ流しの温泉宿特集

 老若男女、どの年代にも人気がある温泉。
 特に今の寒い時期は、温かいお湯に入って身体も心も癒されたい!という気持ちになるだろう。
 ところで、一口に“温泉”と言っても、その湯の使い方に種類があるのをご存知だろうか。
 温泉宿のホームページなどで「源泉かけ流しです」とうたっているのを見かけることもあるだろうが、今回は“新鮮”“贅沢”などと表現される「源泉かけ流し」温泉についてご紹介する。

「源泉かけ流し」とはどういうお湯?

湧き出たままの「ピュアな湯」

        

 日本源泉かけ流し温泉協会によると、“「源泉かけ流し」とは、湧き出したままの成分を損なわない源泉が、新鮮な状態のままで浴槽を満たしている”状態のこと。
 つまり、地下資源から湧き出たピュアな湯を混じりけないところで出しっぱなしで利用していることだ。
 温泉は限りある自然からの贈りもの。
 常に新しい温泉を大きな浴槽いっぱいになみなみと確保するのは容易なことではないのだ。
 なぜ「源泉かけ流し」の湯が“新鮮”“贅沢”などと表現されるのか、これでおわかりいただけたと思う。

循環ろ過式とは「一線を画す」

        

 では、「源泉かけ流し」が確保できない宿はどうしているのかというと、「循環ろ過式」という方法がある。
 これは、何度か使った温泉の汚れなどをろ過装置で浄化し、再度利用するもの。
 どのくらいの頻度で換水するのかは宿によって異なるが、れっきとした純然たる方式で、特に少ししか温泉が湧き出ない地域や都市部など、この方法を利用する旅館は少なくない。
 ただし“新鮮”という点では少々異なり、そこが「源泉かけ流し」との大きな違いとなる。

名湯の恩恵を「肌でたっぷり実感」

        

 宿や地域の特性はあれど、やはり人の手によって加工されていない新鮮な源泉かけ流し温泉は魅力的だ。
 湧き出たままのピュアな湯には効能豊かな成分がたっぷり含まれ、その土地ならではの名湯の恩恵を最大限肌で実感できる。
 特に、温泉の掘削技術が発達した昨今よりも、歴史が古い温泉のほうがもともと自然に湧き出た湯そのもののパワーが強いという見方もできる。
 温泉宿を予約する際に、土地の温泉の歴史を見てみるのも参考になるかもしれない。

源泉かけ流し温泉宿のご紹介

 温泉にこだわるなら、やはり一番の基準は「源泉かけ流し」にあるのではないだろうか。
 そこで、ホンモノの温泉に出逢える素敵な温泉宿を集めたので、ぜひ新鮮な湯を直接肌で感じていただきたいと思う。
 なお、先に述べたように歴史の古い温泉の他、人里離れた僻地の秘湯や昔ながらの湯元に設えた共同浴場なども「源泉かけ流し」の可能性が高いので、旅先でちょっと寄り道して探してみるのも楽しい旅の思い出になるだろう。

龍リゾート&スパの写真

龍リゾート&スパ

        

 標高1000mの荘川高原に約東京ドーム6個分、9万坪という広大な敷地内に豊かな自然を活かした施設やアクティビティを備える癒しのリゾートホテル。
 このような大規模施設で大量の湯を確保するのは極めて難しそうだが、龍リゾート&スパは100%源泉かけ流しをうたっている。
 地下1300mの自家源泉から1日に湧き出る湯量はなんと263tにもおよび、加水や循環ろ過は一切無し。
 消毒薬・入浴剤も使用していないというピュアないで湯を四季折々の高原の自然美を愛でながら大浴場や露天風呂でたっぷり源泉かけ流しの湯を愉しんでほしい。

伝承千年の宿 佐勘の写真

伝承千年の宿 佐勘

        

 秋保温泉は別府温泉・野沢温泉とともに日本三御湯と称され、古墳時代には存在が知られていた歴史の古いもの。
 その湯をなみなみと湛え、仙台藩主の伊達政宗公も湯浴みしたとされている由緒ある温泉宿が佐勘だ。
 誉れ高き湯を源泉かけ流しで浸かれるとは何とも贅沢ではないか。
 秋保の自然美を深く魅せ内湯や陶器風呂が揃う大浴場や、伊達政宗公の湯浴み処を再現した名取の御湯、さらに清流名取川のせせらぎを耳にしながら寛げる河原の湯など、様々な趣向を凝らした浴場を湯巡りしながらホンモノの源泉かけ流し温泉を存分に。

寛ぎの舎 游の写真

寛ぎの舎 游

        

 日本がまだ神々の神話を頼りに生きていた記紀時代に発祥したとされる奥飛騨温泉郷の一つ、新平湯温泉にひっそりと構える隠れ家的な宿。
 奥飛騨温泉郷は大分の別府・湯布院に次いで湯量が多いとされ、とりわけ新平湯温泉は規模が大きい。
 豊富な湯量と北アルプスの恵みを最大限活かした贅沢な源泉かけ流しのいで湯は、浸かると身体の芯から癒される不思議な感覚。
 巨石奇石で組まれた野趣溢れる岩風呂や、陽光が射し込む大きくとった窓から端正な箱庭が望める開放的な内湯で源泉かけ流しと至福のひとときを満喫してほしい。

竹林庵みずのの写真

竹林庵みずの

        

 アジやイカなど海産物の逸品が揃う網代温泉は、源泉の平均温度・平均湧出量ともに熱海市内でトップの実力を誇る温泉地。
 竹林庵みずのは1日100tの湯を湧出させる自家源泉を持っており、宿名の冠に“源泉かけ流しの宿”をうたうのも地の利からしてうなずける。
 貴重な古材の素朴な雰囲気を失わず匠の手によってデザインされたこだわりの古民家宿が備えるのは、雄大な相模湾の眺望が素晴らしい檜造りの露天風呂や、テラスに露天風呂を配した大浴場。
 各客室の露天風呂にも、もちろん新鮮な源泉かけ流しの湯を流している。

和の宿 ホテル祖谷温泉の写真

和の宿 ホテル祖谷温泉

        

 日本三大秘境の一つとされ平家落人伝説で知られる祖谷峡は、四季折々の景観美で数多の旅人を唸らす名勝。
 温泉開湯は約50年前とそんなに古くはないが、秘境と言われるだけあり、四国では源泉かけ流しの贅沢な温泉は道後と祖谷だけといわれている。
 この宿に来る客人の愉しみは、何といってもケーブルカーで行く源泉かけ流し露天風呂だろう。
 傾斜角42度の断崖をゆっくりと降り、向かった先には祖谷川へせり出すように佇む男女別の露天風呂が。
 毎分1500Lの自噴する白濁の湯が湯舟に滔々と溢れ、白い湯の花に抱かれながらゆったり癒されていただきたい。

仙郷楼の写真

仙郷楼

        

 首都圏からほど近い箱根は温泉の湧出量が全国第5位、箱根全山十七湯から1日2万5千tの湯が湧くという、言わずと知れた古くからの名温泉郷。
 仙郷楼は仙石原温泉の湯元である大涌谷で古くから温泉の権利を有しているため、豊富な温泉量を使用できる恵まれた源泉かけ流しの宿だ。
 泉質は特に箱根全山十七湯の中でも高度で、温泉成分が肌をパックしてくれるという女性が喜びそうな美肌の湯。
 和の風情を感じる岩造りの露天風呂や檜の薫りが漂う大浴場には源泉かけ流しの白濁の硫黄泉が溢れんばかりに注がれている。

いぶすき秀水園の写真

いぶすき秀水園

        

 鹿児島県を代表する指宿温泉は、150年ほど前には数m掘削するだけで温泉が湧きだしたという恵まれた海の温泉地。
 ハイビスカスやヤシの木が茂り南国ムード満点ながら800ヵ所もの源泉数を持ち、湧出量は1日12万tに達すると言われている。
 いぶすき秀水園は九州薩摩半島の東南に位置する、南国ムードからは異彩を放った純和風宿。
 源泉かけ流しでこんこんと溢れる効能豊かな指宿の湯は、大浴場や露天風呂をなみなみと満たし、湯上りはさっぱりスベスベの肌の感触に誰もが感嘆するはずだ。

月光園 游月山荘の写真

月光園 游月山荘

        

 平安時代の名著「枕草子」にうたわれ、天下人豊臣秀吉がこよなく愛した、日本最古の温泉地として呼び声高い有馬温泉。
 そこに、有馬温泉では珍しい自家温泉を有する游月山荘が佇む。
 有馬温泉といえば子宝の湯と親しまれ、湯上りのしっとりした保湿や婦人病にも優しい赤褐色の金湯が有名だろう。
 その金湯を100%源泉かけ流しで惜しげもなく大浴場や露天風呂にたっぷり注ぎ込んでいるのだ。
 まさに女性にとって恵みの湯、ぜひ1度は足を運んで有馬の源泉かけ流しの湯に触れていただきたい。

べにやの写真

べにや

        

 関西・中京の奥座敷として年間100万人以上の観光客が訪れる芦原温泉。
 芦原温泉では湯の共同管理をしておらず、各施設や宿が温泉井戸を持っているため個々で違った温泉の感触を愉しめるのが特徴だ。
 その地に構えるべにやは4本の源泉を持っており、霊峰白山から湧き出て長い年月をかけ地の恩恵を蓄えた贅沢な天然100%源泉かけ流しの湯が自慢の温泉宿。
 保湿作用のおかげで湯上りは肌がしっとり、また汗の蒸発を防いで湯冷めしにくく、身体に馴染むようなきめ細かな湯が身体の芯までしっかり温めてくれるだろう。

夢龍胆の写真

夢龍胆

        

 2009年にミシュランガイドに星を獲得して以来、全国的にもその名が知られるようになった人気温泉地、黒川温泉。
 筑後川の支流である田の原川の渓谷両側に懐かしい面影漂う和風温泉宿が建ち並び、和モダンな雰囲気で女性の注目を集めている。
 夢龍胆は、その黒川温泉街を高台から望む抜群のロケーションや黒川温泉らしい自然と調和した落ち着いたデザインが魅力の温泉宿。
 自家源泉から豊富に湧き出す源泉かけ流しの湯は硫酸塩酸で、湯に浸かれば肌が見違えるようにすべすべに。
 露天風呂や貸切風呂、混浴と趣向を凝らした様々な浴場の源泉かけ流しの湯巡りを愉しもう。

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